物理基礎 運動方程式

物理基礎


 

今回は運動方程式の問題を解いていきましょう。運動方程式とは物体の質量をm,加速度をa,物体に働く合力をFとすると、F = ma の関係が成り立つというものです。式自体は単純なので覚えやすいですが、練習しないと問題は解きにくいかもしれません。解く手順は以下になります。
①物体に作用する力をすべて書く。
②加速度の向きを正として合力を求める。

<例題>以下の問題では、空気抵抗や摩擦は考えないものとし、重力加速度はgとする。
1.質量Mの物体Aと質量mの物体Bを接触させて置き、力Fで押したところ、一定の加速度aで運動した。物体が互いに及ぼしあう力の大きさをfとする。
(1) 物体Aについて運動方程式を立てなさい。
(2) 物体Bについて運動方程式を立てなさい。
(3) 加速度aを求めよ。

2. 図のように、質量Mの物体Aと質量mの物体Bを糸でつなぎ、手を放したところ、物体Aは加速度aで下向きに落下した。加速度aを求めなさい。

<解答>
1. 物体に作用する力は重力以外は書いてあります。加速度、力の向きは右向きを正としましょう。物体Aには右向きにF、左向きにfの力が働くので、合力はF-fと書けます。物体Bには右向きにfの力が働くので、合力もfです。よって、
物体Aについての運動方程式;F – f = Ma ・・・(1)
物体Bについての運動方程式;f = ma ・・・(2)
(1)式と(2)式の辺々加えると、F = (M + m) a
よって、a = F/(M+m) ・・・(3)

2.今回は物体に働く力は書いていないので、自分で書いてみましょう。糸の張力Tが働くことに注意しましょう。物体Aには下向きに重力Mgと、上向きに張力Tが働きます。下向きを正として運動方程式を立てると、Mg – T = Ma ・・・(1)
となります。物体Bには右向きに張力Tが働き、加速度は右向きです。よって運動方程式は、
T= ma・・・(2)
となります。後は、(1)式と(2)式の両辺を足し算すると、
Mg = (M+m)aとなり、加速度は
a = Mg/(M+m) と求まります。


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