化学 有機で出てくる反応① 銀鏡反応

化学


 

化学の有機分野では与えられたヒントをもとに構造を特定する問題が頻出です。ヒントとして様々な化学反応が示されますので、よく出てくる反応を5回に分けて解説します。
今回は銀鏡反応です。終わったら以下の内容も読んでみてください
第2回 化学 有機で出てくる化学反応② ヨードホルム反応 | 猿山高校 (monkey-studying.com)
第3回 化学 有機で出てくる反応③塩化鉄(Ⅲ) | 猿山高校 (monkey-studying.com)
第4回 化学 有機で出てくる反応④ 水酸化ナトリウムと炭酸水素ナトリウム | 猿山高校 (monkey-studying.com)

銀鏡反応でわかること:化合物がアルデヒド基(-CHO)をもつこと。
反応の概要:アルデヒド基の還元性により、アンモニア性硝酸銀水溶液中の銀イオン(目で見えない)が銀(目で見える)に変化する。
反応式:R-CHO + 2[Ag(NH3)2]+ + 3OH → R-COO + 4NH3 + 2H2O + 2Ag

では実際に問題を解いていきましょう。
<問題>化合物A~Eは、すべて化学式C3H6Oで表される化合物であり、Aは銀鏡反応を示した。一般に、炭素-炭素二重結合にヒドロキシ基が直接結合した構造は非常に不安定である。化合物BとCも非常に不安定で、化合物BはAに、化合物CはDにすぐに変化した。化合物Eは鏡像異性体を持つことが分かっている。
問1.Aの構造を答えなさい。
問2.化合物Dの名前を答えなさい。
問3.化合物Bについて述べたものとして正しいものを選びなさい。
  ア 環状構造をもつ。
  イ 鏡像異性体が存在する。
  ウ シス-トランス異性体が存在する。
  エ エーテルである。
問4.化合物Eの構造を書き、不斉炭素原子を示しなさい。
問5.C3H6Oと書ける化合物はA~E以外に4種類存在する。
①4種類のうち、アルコールは何種類か答えなさい。
②4種類のうち、環状構造をもつものは何種類か答えなさい。

<解答・解説>
有機の構造決定問題は、すべて書きだせるものは書いてしまうのがいいです。勉強のために今回はすべて書いてみましょう。今回の化合物はCnH2nタイプなので不飽和度1です。不飽和度1ということは①二重結合が一つ、もしくは②環状構造を持つのどちらかです。また、①二重結合一つには、C=CとC=Oの2パターンがあります。これをもとにすべての構造を書いてみると、ノートのようになります。これを見ながら、問題を解いてみましょう。

問1.Aは銀鏡反応を示すということで、アルデヒド基(-CHO)を持つことが分かります。これは1つだけですね。CH3-CH2-CHO (ノートのA)が答えです。

問2,3.問題文にもある通り、C = Cにヒドロキシ基が結合した構造は不安定で、すぐにC=Oに変化します。酸素の方が炭素より電気陰性度が高いので電子をひきつけやすいからです。化合物BはAに変化することから、端にヒドロキシ基がついていることがわかります(ノートのB)。
C=CにOHが直接ついた構造はもう一つあり、それがノートのCです。これはアセトン(ノートのD)という化合物に変化します。
以上から問2の答えはアセトン、問3の答えはウです。

問4. 不斉炭素原子とは炭素につく4つの置換基がすべて異なっている炭素原子のことで、ノートのEで*で示しています。
問5.ここまででA~Eの構造が分かったので、残り4つの構造を見ながら問題を解きましょう。
①アルコールは-OHをもっているものなので、2つありますね。
②環状構造をもつものも2つです。

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