化学基礎 中和滴定

化学基礎

ここでは中和滴定の問題の解き方を解説していきます。
まず中和というのは水素イオンの数と水酸化物イオンの数が等しくなることだというのが前提になりますので、濃度から水素イオンや水酸化物イオンの数を求める練習をしましょう。

<例題1>
(1) 1 mol/Lの塩酸2 Lに含まれる水素イオンは何molか。
(1) 1 mol/Lの塩酸5 mLに含まれる水素イオンは何molか。
(2) 1 mol/Lの硫酸10 mLに含まれる水素イオンは何molか。

<解答>
mol/L は溶液1 L中に溶質が何mol溶けているかを表す濃度の単位です。mol/LにLをかけてやればmolになります。体積がmLで与えられているときは1/1000すればLになります。
塩酸(HCl)は1個につきHも1個なので、水素イオンは
(1) (1 mol/L)× (2 L) = 2 mol
(2) (1 mol/L)× (5/1000 L) = 0.005 mol
となります。一方硫酸(H2SO4)は1個につきHを2個もつので、水素イオンは
(3) (1 mol/L)× (10/1000 L) ×2 = 0.02 mol
となります。

<例題2>
(1) 1 mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液10 mLを中和するのに0.1 mol/Lの塩酸は何mL必要か。
(2) 1 mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液10 mLを中和するのに0.1 mol/Lの硫酸は何mL必要か。
(3) 1 mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液10 mLを中和するのに硫酸が5 mL必要であった。硫酸の濃度は何mol/Lか。

<解答>
(1) 1 mol/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液10 mLに含まれる水酸化物イオン(OH)は
  (1 mol/L) × (0.01 L) = 0.01 mol
です。中和に必要な塩酸(HCl)x mLに含まれる水素イオン(H)は
  (0.1 mol/L) × (x/1000 L ) =x/10000 mol
と表せます。これが等しいので
  x/10000 = 0.01 より x = 100 mLと求まります。

(2) 水酸化物イオンの量は(1)と同じですので、省略します。
中和に必要な硫酸(H2SO4) x mLに含まれる水素イオン(H)は
  (0.1 mol/L) × (x/1000) ×2 = 2x/10000 mol
と表せます。硫酸は1個で水素を2個持っているので×2を忘れないようにしましょう。
2x/10000 = 0.01 より x = 50 mLと求まります。

(3) 求める硫酸の濃度を c mol/Lとすると、次の式が成り立ちます。
  (0.1 mol/L)× (10/1000 L) = (c mol/L)× (5/1000 L) ×2
これより、c = 0.1 mol/Lと求まります。

<例題3>
濃度不明の希硫酸5 mLに0.1 mol/LのNaOH水溶液を20 mL加えると溶液は塩基性となった。ここに0.1 mol/LのHCl水溶液を10 mL加えると中和した。希硫酸の濃度を求めなさい。

<解答>
硫酸の濃度をc mol/Lとすると、硫酸中の水素イオンは
(c mol/L ) × (5/1000 L) ×2
NaOH水溶液中の水酸化物イオンは
(0.1 mol/L) × (20/1000 L)
塩酸中の水素イオンは
(0.1 mol/L) × (10/1000 L)
です。水素イオンの和が水酸化物イオンの和に等しいので
(c mol/L ) × (5/1000 L) ×2 + (0.1 mol/L) × (10/1000 L) = (0.1 mol/L) × (20/1000 L)
です。これを解くと、
c = 0.1 mol/Lとなります。


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