化学基礎 酸化数

化学基礎




ここでは酸化数について解説します。原則さえ理解してしまえばかなり簡単なのでサクッと終わらせましょう。


まずは、酸化って何?というところから始めます。中学では酸素が結合することを酸化と習ったと思います。例えば、銅に酸素が結合して酸化銅になる、という反応では銅が酸化されています。反応式で書くと、2Cu + O2 → 2CuO ですね。

この反応を次のようにステップに分けて考えてみましょう。e-とは電子のことです。
ステップ1.銅が電子を失って銅イオンになる。
Cu → Cu2+ + 2e-
ステップ2.酸素が電子を受け取って酸素イオンになる。
O2 + 4e- → 2O2-
上の式を2倍して下の式に足すと電子が消えて、最初に書いた反応式が得られます。これらの式を半反応式と呼びます。
で、これから何が分かるかというと、酸化される銅は、ステップ1で電子を失っているということです。つまり酸化=電子を失うということなんですね。

次に酸化数について説明します。これは単純でCuのように帯電していない状態を酸化数0とし、Cu2+であれば+2, O2-であれば-2とします。なんだ簡単じゃないかと思われそうですが、イオンになったときの帯電は一定ではありません。例えば鉄は+2もあれば+3の場合もあります。じゃあどうやって計算すればいいかというと、基準を決めてやればいいです。HとOが基準となります。Hを+1,Oを-2として計算しましょう。

<例題1>次のSの酸化数を求めよ。
(1) H2S (2) SO2 (3) SO42-

<解答>
(1) Hを+1とするのでH2個で+2。全体では0にしたいので、Sの酸化数は-2となります。
(2) Oを-2とするのでO2個で-4。全体で0にしたいので、Sの酸化数は+4となります。
(3) Oを-2とするのでO4個で-8。全体で-2にしたいので、Sの酸化数は+6となります。

この問題ではSの酸化数がどんどん大きくなっています。酸化数が大きくなるほど、Sは電子を失っていますので、酸化数が大きくなっていればその原子は酸化されているということになります。逆に酸化数が減っていれば還元されているということですね。

AとB2つの物質が反応してAが酸化された場合、Bのことを酸化剤といいます。ちょっとややこしいですが、相手を酸化させるお薬といったところでしょうか。
逆にBは還元されているのでAのことを還元剤と呼びます。

<例題2>次の反応のうち、酸化剤と還元剤をそれぞれ答えよ。ただし、酸化還元反応でないものもある。
(1) CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O
(2) NaOH + HCl → NaCl + H2O
(3) 2H2S + SO2 → 3S + 2H2O

<解答>
(1) CH4のCの酸化数は-4ですが、CO2の酸化数は+4ですので、CH4は酸化されています。よって、CH4は相手を還元させる還元剤です。逆にO2は酸化剤ですね。
(2) これは酸化還元反応ではありません。Naの酸化数はNaOHのとき+1ですが、NaClでも+1なので変わっていません。これは中和反応です。
(3) H2SのSの酸化数は-2ですが、Sの酸化数は0ですので、H2Sは酸化されています。よって還元剤です。逆にSO2のSは酸化数+4ですが、Sの酸化数は0ですので還元されています。よって酸化剤となります。

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