化学基礎 電離度

化学基礎


 

今回は、電離度について解説します。「化学基礎」の内容にはなりますが、「化学」を履修されている方にも大事な内容です。「化学」を履修されている方は、「電離平衡」の項目も読んでみてください。
化学 電離定数と電離度の関係 | 猿山高校 (monkey-studying.com)

電離度とは、電解質がどれくらい電離しているかを表します。たとえば、HAという酸を考えてみましょう。この酸はH+とAに電離します。このとき、すべてのHAが電離するとは限りません。例えば、5個とかしたときに3個だけ電離したとします。このとき水溶液中にはHAが5-3で2個、H+とA-は3個ずつ存在します。このとき電離度は、3/5で0.6です。
では、問題を解いてみましょう。問題中の記号[ ]は、濃度という意味です。
<例題>
(1) 1 mol/Lの塩酸1 L中での[HCl], [H+], [Cl]を求めよ。電離度は0.99とする。
(2) 1 mol/Lの酢酸1 L中での[CH3COOH], [H+], [CH3COO]を求めよ。電離度は0.004とする。
(3) C mol/Lの酢酸1 L中での[CH3COOH], [H+], [CH3COO]を求めよ。電離度はαとする。

<解答・解説>
(1) 1 mol/Lの塩酸1 Lですので、最初、HClは1 mol存在していました。電離度0.99ですから、
1 mol × 0.99 = 0.99 molのHClが電離します。よって電離していないHClは1-0.99 = 0.01 mol存在し、H+とClが0.99 mol ずつ存在することになります。1 L中で考えていますから、濃度は
[HCl] = 0.01 mol/L, [H+]= 0.99 mol/L, [Cl]= 0.99 mol/Lとなります。

(2) こちらも同様に、初めCH3COOHは1 mol存在していました。電離度が0.004なので、
1 mol × 0.004 = 0.004 mol電離します。よって、電離していないCH3COOHは
1-0.004 = 0.996 mol存在し、H+とCH3COOは0.004 molずつ存在することになります。1 L中で考えているので、濃度は
[CH3COOH]=0.996 mol/L, [H+]=0.004 mol/L, [CH3COO]=0.004 mol/Lとなります。

(3)はここまでの計算を文字でやってみようという問題です。酢酸はC mol存在しており、電離度がαなのでCα mol電離します。よって、電離していないCH3COOHはC-Cα=C(1-α) mol存在し、H+とCH3COO-はCα molずつ存在することになります。よって、
[CH3COOH]=C(1-α) mol/L, [H+]=Cα mol/L, [CH3COO]=Cα mol/Lとなります。

(3)ができると電離平衡の理解がしやすいと思うので、興味ある方は読んでみてください。ひとまずここまでのまとめは以下のノートをご覧ください。

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