古文 品詞分解練習①

古文


 

今回からどんどん品詞分解をやっていきましょう。
品詞分解の方法は以下で解説しています。
古文 品詞分解のやり方 | 猿山高校 (monkey-studying.com)
今回の例文は以下です。

昔、男ありけり。女の、え得まじかりけるを、(略)盗み出でて、(伊勢物語 芥川)

では、解答です。まずは、「昔、男ありけり」から。
昔:名詞
男:名詞
あり:ラ行変格活用動詞の連用形。「あり、をり、侍り、いまそかり」はラ行変格活用です。
(ず)、あ(て)、あ(。)あ(とき)、あ(ども)、あ(命令)と変化します。
けり:過去の助動詞「けり」の終止形。
現代語に訳すと、「昔、男がいた」となります。

では後半いきましょう。
女:名詞
の:格助詞。「の、が、を、と、に、て、より、から、にて、して」は格助詞です。特に、今回のように、「名詞+の+連体形」の形をしているものは同格の「の」と言いまして、「名詞で、~な名詞」と訳します。後で現代語訳をご確認ください。
え:副詞。「え~打消し」で「~できない」という意味になります。このように特定の形で用いられる副詞を呼応の副詞と言います。
得:ア行下二段活用動詞、未然形。なぜ未然形と分かったかというと助動詞まじは未然形に接続するからです。
まじかり:打消推量の助動詞「まじ」の連用形。
ける:過去の助動詞「けり」の連体形。ここでは「女」が省略されています。
を:格助詞。
盗み出で:ダ行下二段活用動詞の連用形。
て:接続助詞。
現代語に訳すと、
「女で、結婚できそうになかった女を、(中略)盗み出して」
となります。同格の「の」の訳し方がポイントですね。

<復習問題>
(1) 「え得まじかりけるを」を単語ごとに区切ったものとして正しいものを選べ。
   ア え得/まじ/かり/ける/を
   イ え/得/まじ/かり/ける/を
ウ え/得/まじかり/ける/を
エ え得/まじかり/ける/を
(2) 「女の、え得まじかりけるを」を現代語に訳しなさい。
(3) 「え」のように、特定の語とセットで用いられる副詞を何というか。

<解答>
(1) ウ (2) 女で、結婚できそうになかった女を (3) 呼応の副詞

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