古文 品詞分解練習⑤

古文


今回は、また2021年度の共通テストの一節から、品詞分解の練習問題です。
場面は、亡くなった中納言の妻の遺体をお寺に移すところです。
では、次の文の赤字部分を品詞分解してみましょう。

法住寺には、常の御渡りも似ぬ御車などのさまに、僧都の君、御目もくれて、え見たてまつりたまはず

<解答>
僧都の君・・・名詞
御目・・・名詞
も・・・助詞。分類上「係助詞」なのですが、あまり区別しなくて大丈夫です。
くれ・・・ラ行下二段活用動詞「くる」の連用形。
て・・・助詞。助詞の中でも接続助詞です。
え・・・副詞。「え~(否定形)」で「~できない」という意味です。
見・・・マ行上一段活用動詞「見る」の連用形。「干る、鋳る、着る、似る、見る、居る」は上一段活用でした。「ひいきにみいる」と覚えておきましょう。
たてまつり・・・謙譲の補助動詞「たてまつる」の連用形。
たまは・・・尊敬の補助動詞「たまふ」の未然形。
ず・・・打消しの助動詞「ず」の終止形。

<現代語訳>
法住寺には、いつもの移動とは異なる牛車の様子に、僧都の君は、目の前が暗くなり、見申し上げることができなさらない。

<練習問題>
法住寺には、常の御渡りも似ぬ御車などのさまに、僧都の君、御目もくれて、え見たてまつりたまはず

問1. 「似」の活用形を答えなさい。
問2.「御目もくれて」とは誰のどんな様子を表すか。
問3. 尊敬語「たまは」はそれぞれ誰から誰への敬意を表すか。

<練習問題解答>
問1.未然形
※打ち消しの助動詞「ず」の連体形「ぬ」に接続しているので未然形と分かります
問2.僧都の君の、葬列の様子を見て涙を流す様子。
※涙で前が見えなくなるのは古文頻出の表現です。
問3.筆者から僧都の君への敬意。
※会話文以外の文を地の文と言いますが、地の文で使われている敬語は筆者からの敬意を表します。
  

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