数A 合同式

数学A




今回は合同式について解説します。教科書では発展項目となっていますが、そんなに難しいものでもないので理解しておきましょう。ただ、合同式を使わないと絶対解けない問題とかはないです。あくまで、合同式を使うと簡単に解答を書けるので武器として持っておこう、というスタンスで勉強しましょう。
練習問題を解いてみたい方はこちらです。
数A 合同式問題演習 | 猿山高校 (monkey-studying.com)

で、まずは合同式とは何かを簡単に説明しますと、余りに着目して計算をしましょう、というものです。例えば、14と17は3で割ったあまりが2で等しいです。
このとき、14 ≡ 17 ≡ 2 (mod 3) と書きます。
では、14+17を3で割った余りはどうでしょう。14+17くらいなら暗算でもできますが、合同式を使って計算すると、
14+17 ≡ 2+2 ≡ 4 ≡ 1 (mod 3)
と書けます。要は、14+17を3で割った余りは、14を3で割った余りと17を3で割った余りを足したものを3で割った余りに等しいということです。
足し算ではありがたみが分かりにくいかもしれませんが、14×17を3で割った余りを求めてみましょう。こちらも余りどうしを掛け算すればよく、
14×17 ≡ 2×2 ≡ 4 ≡ 1 (mod 3)
で余りは1と求まります。かなり便利ですね。

<例題>nを自然数とする。n2を3で割った余りは0か1であることを証明しなさい。

<解答・解説>
問題自体は中学数学レベルですね。まずは、合同式を使わずに解答を書いてみます。
nを3で割った余りは0,1,2のいずれかであるから、nは3k,3k+1,3k+2 (kは整数)のいずれかである。
n = 3kのとき、n2 = (3k)2 = 9k2 = 3・3k2 であり、3k2は整数だから、3で割った余りは0。
n = 3k+1のとき、n2 = (3k+1)2 = 9k2+6k+1 = 3(3k2+2k)+1であり、3k2+2kは整数だから、3で割った余りは1。
n = 3k+2のとき、n2 = (3k+2)2 = 9k2+12k+4 = 3(3k2+4k+1)+1であり、3k2+4k+1は整数だから、3で割った余りは1。
以上より、n2を3で割った余りは0か1である。(証明終わり)

では、次に合同式を使って書いてみます。
nを3で割った余りは0,1,2のいずれかである。
n ≡ 0 のとき、n2 ≡ 02 ≡ 0 (mod 3)
n ≡ 1 のとき、n2 ≡ 12 ≡ 1 (mod 3)
n ≡ 2 のとき、n2 ≡ 22 ≡ 4 ≡ 1 (mod 3)
以上より、n2を3で割った余りは0か1である。

かなり楽な解答になりました。

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